今できること。心の整理整頓。
こんにちは!福岡は緊急事態宣言真っ只中。
コロナ禍が長期化する中、気安く人に会ったりお出かけしたり、が出来なくなった今、みなさんどんなことをして、どんなことを感じ、過ごしていますか??
今までとは違う、「今」だからこそ、気づけなかったことに気づく、ということも体験する時かもしれません。
私の最近の気づきは、というと。
タイトルにも書いたように、「心を整える」ことが大切だ!と今、改めて感じています。
世の中で何が起ころうと、どんなに周りに悲観的なニュースが流れていようと、日々現象が様変わりしようと、大切なのはその現象に右往左往せず、心を整えてしっかりと自分の軸を持ち、決断し、人生を歩むことだなと感じます。
私は10年ほど前から数年、ヨガを学びヨガのインストラクターになって活動していましたが、ヨガをきっかけに自分に向き合い始めたのですが、途中行き詰まり、ヨガインストラクターをお休みすることになりました。
それは、ある方の一言がきっかけでした。
「あなたはヨガをするのではなく、一度しっかり『言葉』に向き合いなさい」と言われたのです。
「心の中でつぶやく自分の言葉をしっかり直視すること。」私はこれがすごく苦手でした。
表面的には明るく振る舞っていても、心の中は批判的だったり、自分なんてだめだー!という自己否定だったり、人を羨む言葉だったり、嫉妬だったり、人への怒りだったり。そんな言葉が、心の中にちらほら浮上してくるのを打ち消すように、目の前のことにただただ追われていたのです。
正確には、追われていたというよりも、自分を見なくて良いように忙しくして自分から逃げるように生きていました。
そんな私がヨガに出会ったのは必然だったと感じます。
ヨガの聖典、聖者パタンジャリが説いた「ヨーガ・スートラ」の中には、ヨガ哲学の基本的な教えが説かれてあり、その中で、ヨガとは何か?を以下のように定義しています。
「チッタ・ヴリッティ・ニローダ(ヨガとは、心の作用の止滅のことである)」
ヨガとは、心の作用を死滅させること。すなわち、「心を静めるものだ」ということです。ヨガは心のコントロール法だというのです。
ヨガを学び、教えるようになって、ヨガのアーサナ(ポーズ)をしていても、ポーズが上手くなるとか、体型が変わるとか、そんなことに気を取られて、一番大切な「心を見つめる、心を育てる」ことが全然できていない自分に直面しました。
身体と心は繋がっているので、身体を整えれば心は明るくなるのは確かです。でもしっかりと心を見つめないと、本当には心は変わらない、それも確かでした。
「言葉」にしっかり向き合いなさい。その言葉が今になって身に沁みます。
言われた時はあまり理解できませんでした。しかし、コロナ禍でヨガのレッスンを休講。仕事も減って自分に余裕ができたときに、いろんな人間関係の問題を直視し、自分の中の自己否定の会話体を直視し、あー私は心の中の言葉に向き合うことが何より必要だ。とやっと向き合う気になりました。ヨガを始めてからも、逃げながら生きる人生に何の進化もなかったのです。まずは、日々の生き方、自分のあり方をしっかり向き合うことが大切だと思うようになりました。
それはヨガでも教えられています。実はヨガの行法には8つの段階があり、アーサナ(いわゆるポーズをとること)は3段階目なのです。
一番最初の2つは、「ヤマ(日常生活で行なってはいけない5つの心得)」・「ニヤマ(日常生活で実践すべき5つの行い)」という、日常生活の中での心得を説いています。ヨガの本場インドでは、「ヤマ」「ニヤマ」を実践できなければ、アーサナ(ポーズ)の練習をするスタート地点にさえ立ってない、とされているそうです。
毎日の生き方の中で、このヤマ、ニヤマの実践こそがまず最初に必要ですが、最も基本的で最も実践が困難と言われているのが、このヤマ・ニヤマだそうです。どんなものなのか?10の心得をご紹介しますね。
ヤマ(禁戒)・・・日常生活で行なってはいけない5つの心得
●アヒムサ(非暴力、不殺生)
暴力を振るわないこと。殺さないこと。行動、言葉、思考のレベルで他者にも自分自身にも暴力をふるわない。誰に対しても怒りを抱かない。
●サティヤ(正直)・・・嘘をつかない
自分の利益やエゴを守るために嘘をついてはいけない。 言動、言葉、思考を日頃から一致させ、正直であること。
●アスティヤ(不盗)
他人の物、時間、信頼、権利、利益などを盗まないこと。自己中心的な行動はしない。
●ブラフマチャリヤ(禁欲)
性欲、物欲、あらゆる欲のために、エネルギーの無駄使いをしてはならない。生命エネルギーは必要なところに集中させることが必要。
●アパリグラハ(不貪)
貪欲さを捨てること。執着しないこと。何かを必要以上に所有しない。失うことへの恐怖感で、他者から奪うのではなく、寛容になり与えること。
②ニヤマ(勧戒)・・・日常生活で実践すべき5つの行い。
●シャウチャ(清浄)
心身や、身を置く環境を、いつもきれいな状態に保つこと。他人に不快感を与えないよう、身だしなみを整えることも大切。心の中は嫉妬や嫌悪などネガティブな感情と思考を排除し清浄を保つ。
●サントーシャ(知足)
足るを知ること。今あるものに、常に満足すること。与えられた環境に満足し感謝し、今目の前にあることは全て必然で、満たされていることを知ることが大切。
●タパス(苦行、自制)
鍛錬すること。努力すること。ただ、自分を痛めつけたり、我慢することはアヒムサ(非暴力)に反する。苦しい状況や試練に直面しても、それを受け入れ、成長の糧にする強さを持つこと。
●スヴァディアーヤ(読誦、学習、向上心)
経典やマントラなど自分の心を良い方向へ導いてくれる書物を読み、向上心を持って学習すること。
●イーシュワラ・プラニダーナ(信仰)
大いなる存在に信仰心を持つこと。自らに備わっている神性を信じること。万物に対して、感謝の気持ちを持ち、献身的な心を持つこと。
最初に習った時は全く頭に入ってこなかったけれど。今改めて見ると、人を幸せに導いてくれる指標のように見えます。
怒らない
嘘つかない
奪わない
エネルギーの無駄使いしない
執着しない
綺麗にする
満足し感謝する
強くある
向上心を持つ
謙虚にある
なんだか短い言葉に変えるととても当たり前のことのようにも見えます。
ただ、これを毎日実践しようと思うとそんなに簡単なことではないですよね。
だから、日々自分を客観的に見て、今怒っていないか?執着していないか?嘘ついていないか?自分を観察することが大切だなと思います。
ヨガを学び、つまずいて、日々の生き方(ヤマ・ニヤマ)を見直すことが必要だという導きから、仏教に出会いました。それもきっと必然だったと思います。
心を整え鎮めて、「自分が今、どう生きているか?これからどう生きたいのか?」と質問してみる。そんなことが重要な時ではないか、と感じる今日この頃です。
美鈴先生のヨガレッスンを受けていた時は、しっかり身体と向き合えていました。今は横浜市が運営のレッスンに行けていませんが、覚えている範囲でお風呂上がりにヨガ(ストレッチかも…)しています。頭の片隅に聞こえる美鈴先生の声に癒やされながら。